手術前はとても心細く、多くの不安をお持ちのことと思います。私たち手術室スタッフは、安全かつ安心して手術を受けていただけるよう、心を込めてケアさせていただきます。不安なこと、ご不明なことがございましたら、遠慮なくご相談ください。術後の順調な回復と一日も早い社会復帰をお祈り申し上げます。
はじめに
術前、術後訪問について
術前訪問
患者さまに少しでも安心して手術を受けていただけるように、スタッフがお部屋を訪問し、手術や麻酔に関することなどをご説明させていただきます。心配なことや不安なことなど何でもご相談ください。
術後訪問
術後、スタッフがお部屋を訪問いたします。患者さまが手術を受けられた際にお気づきの点、おつらく思われたこと、術後の痛みなどをお聞かせください。皆さまのご意見を今後の看護に生かしていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。
手術室内では
自動血圧計を腕に巻き、定期的に血圧を測定いたします。腕に点滴の注射をさせていただきます。心電計のシールを貼り、心電図をモニターします。体内の酸素の量を知るために、クリップのようなものを指先に挟みます。手術室用のやわらかい帽子をかぶっていただきます。
その他、一つ一つ説明させていただきながらいたします。解らないこと、心配なことがありましたらどうぞ遠慮なくおっしゃってください。
深部静脈血栓症の予防対策について
深部静脈血栓症とは、足の深部にある静脈に血栓(血液の固まり)ができた状態のことです。飛行機で問題になっている「エコノミークラス症候群」と同じ病態です。手術中や手術後は長時間同じ姿勢でいることが多いため、飛行機に長時間乗っているのと同じく、足の血行が悪くなりこの病態が起きやすいといわれています。深部静脈血栓ができてしまうと、その血栓が血管の壁から剥がれて血流に乗り、肺に運ばれ、肺の動脈を詰まらせることがあります(肺塞栓症)。
当院では弾性ストッキングやフットポンプの着用などで深部静脈血栓予防のための対策を行っております。
「手術患者取り違え事故」の防止について
ネームバンドの装着
病室にて、患者さまのお名前の入ったネームバンドを着けていただきます。
お名前等のチェック
患者さまのお名前、生年月日、カルテ、ネームバンドなど、すべて一致していることを確認いたします。
お名前の最終確認
手術室入室から手術が始まるまでに4回お名前を確認させていただきます。患者さまご自身にもお名前や生年月日をお答えいただきますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
タイムアウト
麻酔開始直前に、手術に関わるすべてのものがいったん手を止め、全員で患者さまのお名前、今から行う手術、左右のある場合は左右の確認、手術に使用する器械の滅菌確認などを行います。
患者さまには、フルネームのお名前と、ご自分がお受けになる手術名、左右のある場合は左右をお聞きし、全員で確認しますので、ご協力をお願いします。
手術器具、針、ガーゼなどの残存事故について
手術時における器具などの残存事故がニュースなどで取り上げられておりますが、当院手術室では、手術で使用するものは、手術前、手術中、手術後に複数回、数量を確認し、事故防止に努めております。また、事故の起こりにくい材料の使用などの工夫も行っており、当院ではこのような事故は過去1度も起こしておりません。
手術後の痛みの対策について
手術を受ける患者さまの多くが、手術後の痛みに対して不安を持っていらっしゃいます。
当院手術室では、必要に応じて手術後の痛み止めの薬を手術中から持続的に使用することにより、手術後できるだけ楽に過ごしていただけるように工夫しております。