睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう無呼吸状態を繰り返す病気です。日本では、約300万人もの患者が存在するといわれています。
睡眠中に無呼吸を繰り返すことで眠りの質が低下し、血液中の酸素がうまく行き届かないため、心臓、脳など、体全体へ大きな負担がかかります。また、高血圧や糖尿病など多くの生活習慣病とも密接に関係しており、心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患を発症する可能性があるだけでなく、日中の眠気が交通事故や労働災害を引き起こす危険があるなど、さまざまなリスクが高まります。治療により改善されますので、ご家族など周囲からいびきや無呼吸を指摘されたら、早めに専門の医療機関を受診することをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群とは
セルフチェックシート
ご自身が睡眠時無呼吸症候群かどうか気になる方は、以下のセルフチェックリストをご確認ください。
チェック項目A
- 週に3日以上、大きないびきをかく(指摘されたことがある)
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
チェック項目B
- 朝、目を覚ましたときにすっきりしない
- しっかり寝ているのに、日中、会議中や運転中に強い眠気に襲われることがある
- 高血圧である
- 夜間にトイレに起きることが多い
- 肥満である(メタボリックシンドロームの傾向を指摘された)
- 二重顎もしくは顎のくびれがない
チェック項目Aのうち、1つでも当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。早めの受診をお勧めします。
チェック項目Bのうち、2つ以上当てはまった方は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。気になるようでしたら、まずは内科医師までご相談ください。
検査・治療の流れ
初診
医師による問診と診察で、睡眠時無呼吸の検査が必要か否かを判断します。必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の合併症の有無を確認するための検査を行う場合もあります。
自宅でできる簡易検査
診察で睡眠時無呼吸症候群の検査をする必要があると判断された場合、自宅で簡易検査(予約検査)を行っていただきます。呼吸センサーを鼻に、脈波と血中酸素のセンサーを手に装着し、通常どおりに就寝。翌日、データとともに機器を返却していただき、後日外来で結果を説明します。
1泊入院検査
簡易検査の結果、より精密な検査が必要と判断された場合、1泊入院によるPSG検査を行います。夕方から翌朝にかけての入院で、睡眠中の呼吸、酸素、脳波、体位などを詳しく測定します。
1泊検査入院について
入院時間 | 16:00〜翌10:00 ※希望により早朝(7:00以降)の退院も可能です(保証金をお預かりさせていただきます) |
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入院室 | 個室 ※個室代は別途いただいておりません |
費用目安 | 3割負担で35,000円程度 ※リネン・タオル・パジャマ代も含みます |
食事 | 1日目:夕食 2日目:朝食 ※食事なしも応相談 |
入浴 | シャワー浴可(夜・朝) |
制限 | 21:00〜翌6:00の間はベッドにて安静・就寝が求められます ※トイレや水分補給の制限はありません |
確定診断後、治療法の決定
1泊入院検査結果を後日外来で説明し、治療方法を確定します。睡眠時の呼吸状態に問題があればCPAP療法の開始を検討します。
CPAP療法の開始
必要と診断された場合、ご自宅にてCPAP療法を開始していただきます。
※CPAP療法とは・・・専用機器につながるエアチューブのついたマスクを装着して就寝し、圧力をかけた空気を持続的に鼻から送り込んで気道を拡張することで、睡眠中の無呼吸防止をめざす治療法です。
定期受診
CPAP療法を自宅で行っている間も1ヵ月に1度の定期的な受診が必要となります。定期受診にて、CPAP療法が適切な状態で実施できているかを確認します。
Q&A
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平日は仕事がありますが、入院検査と仕事の両立は可能でしょうか?
退勤後にそのまま入院し、翌朝早めに退院することで、お仕事への影響を最低限に抑えて検査を受けることが可能です。入院時に保証金(30,000円)をお預かりすることで、翌朝は会計手続きを省いて7時からご退院いただけます。 -
入院中にお風呂やトイレは利用できますか?
夜と朝の2回、シャワー浴が可能です。日中の活動後に入院し、シャワーを浴びたらレンタルのパジャマを着て就寝、翌朝はシャワーを浴びて身支度を整え、再び日常に復帰していただけます。トイレは個室内にあり、利用に制限はありません。 -
検査に際してどのような行動制限があるのですか?
夕食後、19時あたりから検査技師が順次お部屋に伺い、センサーを取り着けます。センサー取り着け後もお部屋内での移動は可能で、トイレにも行けます。携帯電話の使用や読書などもOKです。検査開始後はベッド上で安静を保ち、なるべく早く就寝していただきます。就寝中も必要に応じてトイレや飲水も可能です。 -
入院時の持ち物について教えてください。
入院費にはリネンやタオル、パジャマ、スリッパなどの利用料が含まれており、これらの物品は持参不要です。歯ブラシや化粧品など、ほかに必要なものがあればご持参ください。物品については、入院前にご説明いたします。 -
機械の操作が苦手で、自宅での検査が不安です。
簡易検査機器の取り扱いについては、スタッフが事前にわかりやすくご説明しています。また、比較的操作が容易な機器であり、ご高齢の方や機械操作が苦手という方でも、問題なく検査を受けていただいています。