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術後の尿漏れ防止や性機能の温存が見込める
前立腺肥大症に対するアクアブレーション治療

中高年の男性を悩ませる前立腺肥大症は生活の質を低下させ、進行すると重い合併症を引き起こす可能性があり、早期治療が望ましい疾患です。日本では約108万人の方が前立腺肥大症と推計されており、50歳以上の男性なら誰でもなる可能性があります。何らかの症状がある「前立腺肥大症」の人は60代の男性の6%、70代男性の12%に上るといわれています。当院では、そんな前立腺肥大症の新しい治療『アクアブレーション』を2024年7月から開始します。日本では6施設目の導入です。今回は、当院の加藤医師にアクアブレーション治療とはどのような手術法か、話を聞きました。

医師の紹介

加藤 大貴

2009年浜松医科大学医学部卒業。2020年名古屋市立大学大学院卒業。大学病院、地域の中核病院、こども病院などで研鑽を積む。『前立腺肥大』と『小児泌尿器科』をサブスペシャリティーとして診療に取り組む。人生後半をより良く過ごすための前立腺肥大症治療に注力。前立腺肥大症手術では、経尿道的前立腺切除術、経尿道的ホルミウムレーザー核出術、経尿道的前立腺蒸散術で執刀経験がある。また、2022年から日本で新たに導入された経尿道的前立腺吊り上げ術、経尿道的水蒸気治療にも早期から取り組み、国内外の研究会や論文で発表を行っている。

アクアブレーション治療とは

  • 前立腺肥大症の治療に新たな選択肢が加わったそうですね。

    2023年に保険適用になった「アクアブレーション治療」ですね。直腸に挿入した超音波で前立腺をモニタリングしながら、肥大した前立腺を高圧水流で削る新鋭のロボット手術です。医師がモニター上で前立腺の切除範囲を決定し、医師の指示によりロボットが手術を行います。手術手技が属人化せず常に一定のレベルを保つことができます。大きさに関わらず、切除にかかる時間は5分から10分ほど。麻酔から覚めるまでの時間を入れても、1時間ほどで手術は終了します。
  • そもそも、前立腺肥大症とはどんな病気なのでしょうか?

    前立腺肥大症は、肥大した前立腺が尿道の通り道を圧迫する疾患です。通常は小粒のイチゴ大ですが、放っておくとキウイフルーツくらいの大きさになることも。最も訴えが多く、日常生活で困るのは、「頻尿」です。また、就寝後から起床まで、夜1回以上トイレに行くことを「夜間頻尿」と呼びます。夜間頻尿では、2回以上トイレに起きる方は死亡リスクが約2倍に増えるという研究報告もあり、侮れません。転倒や昼間の寝不足の原因にもなります。また排尿時の勢いがなくなった、構えてもなかなか尿が出ない、排尿のためにおなかに力を入れる、といった症状も前立腺肥大症の可能性があります。実際の診療では、排尿チェックシートを用いた問診や超音波による前立腺サイズの測定、排尿時の勢いを数値化する検査を行い、重症度を総合的に勘案して治療方針を決定します。

  • 前立腺肥大症ではどのような治療法を行いますか。

    まずは内服による治療を行います。最も多く処方される薬はアドレナリン受容体遮断薬(α1遮断薬)で、前立腺と膀胱の出口の筋肉の緊張を和らげることで、症状の改善を図ります。現在ではざっと分けて6種類の薬理効果の異なる薬があります。症状の改善を確認しながら、薬の種類や量をすることで症状の緩和をめざします。薬物治療で効果が不十分な場合や合併症を生じた場合には手術治療を検討します。当院で提供する手術法は、「アクアブレーション治療」のほかに、水蒸気で肥大組織を死滅させる「経尿道的水蒸気治療(Rezum)」、クリップで前立腺を吊り上げる「経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)」があります。どちらも、出血リスクが少なく、血液をサラサラにする抗血小板薬を服用していても実施できます。
  • アクアブレーション治療とは、どのような治療法でしょうか?

    従来の手術治療との最大の違いは、「ヒトでなく、ロボットが前立腺を切除すること」と「水を用いて、前立腺を切除すること」です。これまでの手術では、ペニスの先から専用の内視鏡を入れ、電気メスやレーザーを使って、肥大した前立腺組織を手作業で切除・除去していました。前立腺のサイズによりますが、切除時間は1時間から1.5時間程度かかることが標準的で、技術の習得には多数の症例を経験しなければ上手になれないことが課題でした。アクアブレーション治療では、ロボットが前立腺の切除を行います。術者は超音波で前立腺を見ながら、切除する範囲をロボットに命令するだけですので、技量による差はそれほどありません。切除時間も5~10分程度とかなり短くなりました。
  • アクアブレーション治療は日本でも受けられる施設がまだまだ少ないと聞いています。

    アクアブレーション治療は、もともと2017年に欧州で最初に導入され、現在では世界で500台が20か国以上で稼働しており、約6万人の方々がこの手術を受けています。日本では2023年6月に保険適用となり、2024年7月現在、アクアブレーション治療を行っているのは国内で当院を含めて6施設です。当院の強みは、大規模病院と違い『紹介状なし』で受診できること。手術まで何ヵ月も待つ必要はありません。
  • 手術時間がかなり短くなったそうですが、他にもメリットはありますか?

    高圧の水流を用いて行う手術なので、電気メスやレーザーのように熱を生じません。熱損傷が原因となる術後の尿漏れや勃起障害などにつながる神経や筋肉へのダメージを限りなく軽減できます。また、前立腺内を通っている射精管の出口を切除しないため、射精機能も温存することが期待できます。日本ではまだ片手で数えられるほどしか実施できる施設がなく、杉並区ではもちろん、全国でも早期の導入となります。
  • 術後の過ごし方で気をつけることがあれば教えてください。

    アクアブレーション治療の術後2日目にカテーテルを抜き、問題がなければ術後3日に退院です。手術翌日から歩行も食事も可能ですが、退院後しばらくは激しい運動や飲酒は避けてください。1ヵ月程度は前立腺を圧迫しないよう、自転車の運転なども避けてください。
  • 最後に、前立腺の症状で悩む方にメッセージをお願いいたします。

    前立腺肥大症は、生活に及ぼす影響が非常に大きいにもかかわらず、「年だから仕方ない」と諦めている方が多い疾患です。また健康診断を受けていても前立腺の大きさや排尿に関する病気の有無についてはわかりません。まずは多くの方に、体にかかる負担が少ない方法で状況を改善できることを知っていただきたいですね。当院は紹介状がなくても予約でき、1~2ヵ月以内に手術のご案内をすることが可能です。お悩みの方は気軽にご相談ください。「手術時間が短く、安全性が高く、機能の温存が望める」手術が登場した以上、前立腺肥大症の手術もロボット手術の時代に変化すると考えています。人生100年時代がうたわれるようになって久しいですが、排尿時の悩みから解放されて、快適な日常生活を送っていただけることを祈っています。