適切な治療を行うためには正確な診断が欠かせません。
放射線科では診断に必要な情報を取得するためにエックス線撮影、マンモグラフィ、CT、MRIなどの検査を行っています。
検査によって得られた画像を日本医学放射線学会放射線科専門医が読影して画像診断を行っています。
はじめに
エックス線撮影
エックス線を照射して胸部や腹部、骨や関節の撮影を行います。
金属やボタンなどがついた衣類を着ていると、画像に映り込むため外していただきます。
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一般撮影装置
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胸部エックス線撮影
透視撮影
- 上部消化管エックス線検査(胃バリウム検査)では食道・胃・十二指腸の撮影をします。
はじめに発泡剤を飲んで胃を膨らませます。バリウムを飲んで胃粘膜全体に付着させ、透視で観察しながら撮影していきます。 - 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)はエックス線透視と内視鏡を併用して胆嚢や胆管、膵管の異常を調べます。
- 気管支鏡検査はエックス線透視と内視鏡を併用して肺や気管支の病気を調べます。
- 他に胃瘻造影検査や膀胱造影検査などを行っています。
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透視撮影装置
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胃バリウム検査
CT
当院では80列CTを使用しています。
低線量で高画質、短時間(息止めは数秒)での検査が可能です。
撮影は診療科それぞれのニーズに合わせて行っています。
整形外科領域では関節の石灰化や腫瘍の評価、脊椎やさまざまな部位の骨折診断等に役立っています。
健診領域では腹部内臓脂肪測定検査でのメタボリックシンドローム予防や肺がんの予防検査として低線量肺がんCT検査も行っており、患者さまの健康のためのサポートをしています。
その他内科、外科、泌尿器科領域でのがんや腫瘍の評価、小児科領域でも年齢に合わせた適切な線量、方法で撮影しており、診療に欠かせない装置となっています。
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CT装置
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胸部CT
MRI
MRI検査とは、強力な磁石でできた筒の中に入ることで、磁力と電波を利用して身体の内部を画像化する検査です。体内の状態をさまざまな方向から断面図として見ることができます。
MRI検査は、範囲の広い全身検査や空気が多い肺の検査などは苦手ですが、脳や脊髄、筋肉や靱帯、子宮・卵巣や前立腺など、CT検査ではわかりにくい部位の描出に優れています。
CT検査とは異なり、放射線(エックス線)を使用しないので、被ばくの心配はありません。しかし、検査時間の長さ(検査方法により約20~60分)や検査中の騒音などの欠点、金属類の持ち込み厳禁などのMRI検査特有の注意事項もあります。
また、閉所恐怖症の方や手術歴のある方は、場合によっては検査ができないこともあります。
当院では、検査予約時や検査当日に各スタッフが禁忌事項や注意事項を確認し、安全にMRI検査ができるように努めています。
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MRI
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頭部MRI
マンモグラフィ
乳房のエックス線撮影のことをマンモグラフィと言います。
触診ではわからないような小さな乳がんや 腫瘤(しこり)をつくらない乳がんを見つけることができます。この検査は板で乳房を圧迫することから個人差はありますが痛みを伴うことがあります。圧迫することによって乳房組織を見えやすくしたり被ばく線量を少なくしたり、体の動きを防止したりするなど精度の高い画像を得られる効果が見込めます。また、マンモグラフィでしか認められないわずかな石灰化ががんであるかどうかを調べるマンモトーム生検も行っています。
当施設では診療放射線技師(女性)が撮影します。
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マンモグラフィ
撮影装置
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写真左:右乳房
写真右:左乳房
骨密度検査
骨粗鬆症の診断や経過観察を目的として、DEXA法による骨密度測定を行っています。
DEXA法はエックス線の被ばくが少なく、短時間で精度の高い測定ができます。
当院では前腕(橈骨遠位部)で骨密度測定を行っています。